頭塔への小旅行(3)2010年03月28日 01時24分

 頭塔をゆっくり眺め、歩いて奈良駅まで戻ろうかと思い、少し一服することにしました。




 バス通りに民家風の喫茶店があったなぁと、少し引き返して入ったお店が「みりあむ」。フランス人の女性がやっていました。カレーのものすごく良い匂いがしていました、次回は是非いただきましょう。今日はエスプレッソ…ネスプレッソですね…を。ミリアムって彼女の名前かな?




 奈良にもこんな路地が。ただし大阪のものよりもずっと規模が大きそうです。




 一軒の酒造場がありました。春鹿?と思いましたが、違いました。「升平」の八木酒造。覗いてみますと吟醸酒粕なるものを売っていましたので一袋買い求めました。ぶらぶら下げながら歩いていると、たまらなく良い吟醸香がします。思わず取って返し「この酒粕のお酒を」とお酒も人瓶買って帰りました。のちに一族会議で飲みましたが、少し甘くてたいへん美味しく思いました。




 さて、お酒を抱えてなおも歩いてゆきますと、こんなお風呂屋さんがありました。なんともよい風情、たぶんまだちゃんと営業しておられるような雰囲気でした。日の長くなった夏場に行ってみようと思います。




 奈良駅に向ってまっすぐまっすぐ歩いてゆきます。突然、道が狭くなり路地のようになりますが、これを抜けるといわゆる奈良町に至ります。




 これ、なんて言うんでしょう。まだ売っているのですね。僕が子供の頃にはすでにありましたから、ずいぶんとロングセラーです。私の娘はこれよりも提灯を欲しがっていました。その時提灯を買い求めたおみやげ店のおばあさん、お釣りの百円玉を間違えて五百円玉を5枚くれました。あわてて、これは五百円玉ですよってお返ししましたが、あのおばあさん、損してなかったでしょうかねぇ。いつまでも同じものがあるというのは良いものです。




 さて、不思議な遺跡「頭塔」への小さな旅も終わり。奈良駅につくといつものごとくダイヤが乱れていました。上り木津方面がひどかったので、木津回りはやめておおさか東線回りで帰ることにし、大和路快速に乗りました。奈良盆地は生駒山方面に夕陽が沈むんですねぇ。大阪にいると生駒山は朝日の昇るイメージで、きっと奈良と大阪では生駒山に対する気分は違うのでしょうねぇ。盆地からこうやって山を見ますといつも「倭(やまと)は 国のまほろばたたなづく 青垣(あおがき) 山ごもれる 倭しうるわし」という言葉を思い出します…




 …などと、いかにも教養ありげにひけらかしておりますが、おもわぬところでいかさまが露呈します。あたらしく「万葉まほろば線」の愛称になった桜井線からの電車が王寺駅に停っていました。大きく描かれた山上憶良、その横には万葉集のかれの歌が書かれているのですが…読めませんでした。「しろがねもくがねもたまもなにせむに まされるたからこにしかめやも」と読むそうです。僕は万葉集には暗くてさっぱりわかりませんでした。


 実に情けないことで、知的逍遥は痴的徘徊に堕したのでありました。

<おわり>