奈良の細道【4】2011年10月20日 10時00分

 日も少し傾いて来て、なんだか寂しくなって来ました。先を急ぎましょう。

 柳本の街並みに入る。思えば、天理までの道中の集落にあった妙な胡散臭さは殆ど消えて、昔の街並みだなと感じられるようになっていました。寂しくなっていますがこのあたりは、かつては街道筋のハイロードであったのでしょう。



 ここは商店街なのでしょう。懐かしい感じの外灯が設置されています。店舗の看板も掲示されていますが、じっさい商店は少なく、ちょっと寂しいです。ゆっくり眺めたいところですが、太陽の高さを思うと気が急きます。
 とにかく箸墓を目指そうと、ペダルを踏みます。



 おお、遠くにサヌカイトの二上山が見える。



 そしてこちらは三輪山です。三輪山と大和三山っていかにも恐ろしげで、確かに古代の人がそこに神を見るのも判る気がします。
 道はまだまだ一本で先へと続きます。

 巻向まで来た所で、道は国道とJR桜井線によって分断されてしまいます。地図を見れば一目瞭然。



 赤い線が真っ直ぐな本来の道で、それが鉄道と国道でぶった切られているように見えます。なぜこんなことをするのでしょうか。話はずれますが、昨年開通した第二京阪道路でも、旧来の道のルートがあちこちで寸断され迂回を余儀なくされ使いにくくなっています。この国の権威主義みたいなものは気にくわない。
 国道は立体交差になっているからまぁいいものの、鉄道はどうせ一時間に二本上下四本程度しか来ないのだから、踏切を設置して、まっすぐに道を通せと思います。とにかく一旦そこにある道というものは、いかなる理由によっても切ってはいけないものだと思いますね。
 またしても怒りながら迂回したルートが、青い線です。



 JR巻向駅には結構な数のお客さんが居ました。箸墓が近いからかな?なんて想像しながら、迂回路を再び街道筋に戻ります。国道の高架をくぐると目の前に箸墓古墳が見えてきます。



 やっと来られた、箸墓。
 今日のメインはなんたってこれです。


より大きな地図で 奈良の細道 を表示

<つづく>

奈良の細道【3】2011年10月19日 09時45分

 帯解(おびとけ)を過ぎると程なく天理なのですが、考えてみればお昼を食べていないし、ちょっと糖分をということで道端の自販機でコーラを買ったのですが…レギュラーのペプシを買ったら出てきたのはNEX!今はダイエットじゃないんだよなー。自販機の嘘つき!



 しかもこの自販機、酒屋の前においてあったんだよなー。腹立つ。



 ぶりぶり怒りながら天理に到着。思ったよりも寂しい街だなぁ。それにしても、老いも若きも「天理教」のハッピを着ているし、そうじゃない人にしても話題は天理教の話題が聞こえてくる。宗教都市なんだろうけれど、正直あまり気味の良いものでもないです。特に若い人のハッピ姿。
 まぁそんなことは個人の自由なので僕がごちゃごちゃ言うことでもありません。天理といえば天理ラーメンかなと思って、ラーメン屋を検索してみました。近くの郵便局あたりに屋台があるようだと行ってみると…駐車場に確かにラーメン屋台と思しき自動車が。そりゃそうだよな、営業は夜だよなー。

 ラーメンはもう諦めて、もう少し先のホームセンターにあるマックでテキトーに済ますことにしました。自転車も置きやすいだろうし。

マックはもうちょっと先だなーと思いつつ走ってゆきますと、道路の半分をシェルターみたいなものが覆っています。「何か濡れたら困るものの積み出し口だろうなぁ、ソーメンかな?」などと考えつつ、腹が減っているので通過してしまいました。



 街並みも古いし、今までのルートを思うと、なんだか街道っぽいなぁなどと考えていました。あとで調べて分かったことですが、この道は古代の「上ツ道」という街道でした。  …間抜けなことにやはり街道だったのです。他にも「上街道」や「伊勢街道」と呼ばれているそうです。

 さてこの屋根も調べてみるとアーケードの名残のようです。本当はもっと長かったという記述もありました。「天理市 丹波市」で検索をかけると古い町並みのあるところとしてヒットします。次回はゆっくりと見物してみたいと思います。なんせ今日はもう時間が少ないですからね。

 ここを過ぎて、一本道からそれ、国道脇にあるホームセンターの中にあったマックでかなり遅い昼食を取ります。店のおねーさん(僕から見ての相対的な話で、若い人から見ればどうだかわからないです)が、「自転車旅行ですか?」。
 いやいやいや、そんな大変なものではなくて、生駒の山の向こうから電車に自転車のせて、ちょっと走りに来ただけです。
 で、この店のある建物はホームセンターで、手洗いを拝借するついでについついものを見てしまう。時間がないというのに…。「ホンマ製作所の薪ストーブ、煙突セットで7,800円かぁ…庭の枝の焼却に使えるかなぁ…」。無論、買って帰れる訳もありません。

 馬鹿なことを考えていたらまた時間をとってしまいました。もはや15時が近くなってしまいました。

 再び一本道に戻り、走り出します。道路はかなり狭く、自動車の離合ができないくらいになります、が、自動車はやってきます。
 道はこの先東へ直角に曲がり、国道を横断し(国道に分断されていると言ったほうが良い)、再び南下します。
 途中、さらし首に出会いました。この辺りでは未だにさらし首が行われているようです。



 何をやったんでしょう?不義密通で重ねて二つにされでもしたのでしょうかね。



 都を見つめるさらし首。


より大きな地図で 奈良の細道 を表示

<つづく>

奈良の細道【2】2011年10月18日 15時37分

 今回は初めて使う輪行器具で、それに手間取ってたっぷり時間を使ってしまい、奈良についたのは正午半でした。しかしもたつきはそれだけでは収まらず、自転車を組み立て、ナビ替わりのスマホを、この前買ったホルダに装着、GoogleMapsで、予め設定されたコースを呼びだそうとしますが、なんと、違うアカウントで作成したもので呼び出せません。



 あ~だこ~だと手間取り、結局走り始めたのは、13:00頃でした。
 それでも、久しぶりに輪行に出られた楽しさでうきうき、三条通りのだらだら坂も軽快に上ります。



 人々か亀だか鯉だかを眺める猿沢の池。ここから南へほぼ一本で延びる道が始まります。



 最初は奈良町の人も多いごちゃごちゃしたところを走ります。このあたりは道も一本道とは行かず、ほんの少し左右にぶれながら行きますが、ほどなく走りやすい一本道になります。



 街路を抜けるとJR桜井線と接近して走ります。踏切があって警報音が聞こえたものでカメラを構えて待っていましたが、なかなか電車はやって来ませんでした。やっとこやってきたのは通常塗装の105系。



 道はなおも桜井線と平行して走ります。このあたりは溜池を隔てていますが、溜池の堤のほうが高いところにありますね。



 帯解(おびとけ)までやってきました。道は相変わらずまっすぐに南下しています。
 ここまで道は結構快適だし、風景もまぁ田舎道といった風情なんですが、時折現れる集落は、今ひとつ胡散臭い感じであまり人の気配もと言うか生活臭もなくあまり面白く無いので、さっさとパスして走って来ました。


より大きな地図で 奈良の細道 を表示

<つづく>