We are St.GIGA2010年09月16日 00時00分

''I'm here''
''I'm glad you're there''


We are St. GIGA


 BS-5ch PCM、St. GIGAを覚えていらっしゃる方はどのくらいいるでしょうか?
 St. GIGAは衛星ラジオ放送です。画像はありません。今までとは全く違うコンセプトのもとに、プログラムが作られていました。
 まず、タイム・テーブルというものが無く、そのかわりに潮の干満…タイド・テーブルまた太陽の位置に従ってスケジュールされていました。流される音楽もその潮位や太陽の位置にふさわしいものが選ばれ、時には高音質で録音された自然の音が流されることもありました。

 無論CMは一切ありませんし、ナレーションも殆どありませんでした。なにもかもがゆったりと心地良くシームレスに、まさに「流れて」来るようなステーションでした。

 その頃の僕はパソコン通信とメールによってあの大嫌いな電話から開放され、そしてこのSt. GIGAによって、喧しい地上波放送に別れを告げられると喜んだものです。

 しかし、このコンセプトを理解し、受け入れられる人は少なかったのでしょう、ステーションの経営は最初から苦難の連続で、そして次第に変貌してゆき、最後にはまったく違う内容となってしまったのでした。
 実質の命脈は三年足らずだったのではないかと思います。

 St. GIGA、素晴らしい星は燃え尽き墜ちてしまいました。僕は大変がっかりしました。今でもがっかりし続けてています。

 ネットの上にはこのSt. GIGAを惜しみ懐かしむ人が大勢います。いくつかの素晴らしいウェブサイトもありますので、ぜひ、検索してみてください。

 さいごに。YouTubeにあの有名な冒頭のフレーズがアップされていました。  このフレーズは、カート・ヴォネガットのSF小説「タイタンの妖女」に登場する水星の地下に住む生物「ハーモニウム」が喋るたった二つの言葉からとっています。

「わたしはここにいます」
「あなたがそこにいてよかった」


 なんとも素晴らしいではありませんか。ネットの海でふと孤独を感じたら、こんな言葉を発してみるのも良いかも知れません。きっと誰かが答えてくれるでしょう。