牧野駅前「石狩」への道【3】【完】2011年11月29日 00時00分


 実に味わい深いY字路。ここは昼間ではなくて夕ぐれに撮影に来たいものですね。ついでに店にも入ってみたい。

 さて、目指す「石狩」はもうすぐのはずです。しかし、このあたりの露路はなかなか味わいが深い。フィルムを詰めたカメラでがんがん撮影していると、家の中から女性が…ありていに言えばオバさんが出てきて咎めます。「何、写真撮ってるの?」。
 『ああ、鬱陶しいなぁ』と思いつつもそこはちゃんとした対応をしなければと、にこやかに事情を話し、この地との縁を語り、この雰囲気や風景を褒め、オバさんの話に耳を傾けます。人は警戒心が解けると、いきなり信頼に移り、あれこれと話しをしてくれます。30分あまりも話し込んだでしょうか

 警戒するのはこのご時世ですから仕方がありません。自分だってやはり家の前で写真(と言ってもコンデジで撮ってる連中)には警戒しますからね。でも、オバさん、おたくの家はGoogleのStreetVewで24時間365日世界中に晒されていてるんですよ。
 目の前で起こることに警戒するのは当然のことでしょうけれど、すでにもう撮られて世界中に晒されているということを知らずして、眼の前で撮っている人を咎める。仕方が無いのでしょうけれど、なんだか哀れに思えました。


 まぁそんな感じで不快感を覚えながらも撮影を続けて路を行きますが、なんだかもうそこは近いなという匂いがします。


 おお、見えました、「石狩」。


 「石狩」は既に店を閉じている雰囲気です。加藤思何理氏がブログに書かれたのは2007年の初頭ですから、まもなく丸5年になろうとしています、閉店していても不思議ではないでしょう、このご時世ですから。坂の途中にある味わい深い佇まい、店に灯が入った宵の雰囲気が味わえれば、一層情趣ある景色となっていたでしょう。
 それにしても、加藤思何理氏、はずしません。次はどこへ行きましょうかねぇ。

<おわり>