犬の床ずれ(1)2010年06月17日 16時37分

 ここのところ、更新が途絶えていて申し訳ありません。言い訳をしますと、コビの床ずれにかかずらっていて、どうにも余裕がありませんでした。今もあまりないのですが、丁度いい機会と、大変なのを逆手にとって、中大型犬の床ずれや介護について、少し書いてみたいと思います。
 言い訳のように書きますが、あくまでこれは、我が家のコビの場合での話で、すべての犬に同じとは限りません。

 コビはフィールド系ラブラドール・レトリーバー(ショー系よりも小柄で、顔も小さく口吻もナロー)です。きょうだい達はアジリティの選手で、コビは競技に向かない(シャイでおとなしすぎる)ことをいちはやく見抜いたブリーダから、競技に向かないと言う事は家庭犬にはとてもいいとのことで譲ってもらいました。
 体重は最大の時には27kg、現在は18kgにまで落ちています。もう犬のミイラみたいにがりがりですが、食欲は相変わらず旺盛です。


床ずれ(=褥瘡)を作らないために…私の経験から。

(1)早いうちにドッグベッドを低反発マットレスに替える
 いまから考えると、自力で立ち上がれなくなった時点で、今まで使ってきたドッグベッドをやめて低反発マットレスに替えるべきでした。コビの場合全く自力で立ち上がれなくなった(=寝たきりになった)のは去年、2009年の10月でした。この時点で実は低反発マットレス(犬用、比較的薄い)と、それと組み合わせて使う通気性の良いマットレスを買ってありましたが、嫌がって何度もずりおちるので、従来使っていたコビの好きなドッグベッドに戻してしまいました。
 結果的にこれが一つ目の判断の誤りでした。
 ですから、自力で立ち上がれなくなった時点で、愛用のドッグベッドとは決別し、低反発マットレスに換えてあげましょう。

(2)長い間同じ姿勢でいるようになったら要注意
 室内で飼っておられる方はどなたもおわかりだろうとは思いますが、元気なうちは眠っていてもつねに寝返りを繰り返したりして同じ姿勢で長くいるなんてことはありませんでした。寝たきりになっても、はじめのうちはそこそこ姿勢を変えられる力は残っているものです。しかしいずれ「あれ?」っと思う時が来ます。妙に長いあいだ同じ格好をしているな?と思ったら、あとは、床ずれへの道をまっしぐらです。とにかくよく関心をもって体を触ってやり、姿勢をどんどん変えてやることが、床ずれを防止することになると思います。
 うちでは、この判断の時期を誤りました。「よく寝てるなー」なんてお気楽なことを考えていたのです。



(3)見ただけではわからない
 犬は被毛に覆われていますから、床ずれが出来ていても、ぱっと見、わからないことが多いと思います。実際、コビの場合も体をなでていて、「何かかさぶたになっているな」と思って触っていたら、ずるっと少しかさぶたがめくれた、その下が、床ずれになっていたのです。獣医さんに診てもらったとき、彼はためらわずかさぶたをはがして患部を露出させていました。
 床ずれは見ただけではわかりません。常に体を触ってあげて、特に膝、肘、肩、臀部、など、骨の出っ張ってる部分は毎日朝晩触ってチェックしてあげるべきだと思います。

麻痺があるとそこにできる
 コビの場合は後足がもう麻痺して殆ど動きません。動かないから当然なのですが、そこに床ずれは出来ます。麻痺していたり、動きにくい部位がある時には要注意です。特に気をつけて見てあげる方が良いだろうと思います。
 コビの場合は早い内から後肢の麻痺がじわじわと来て動けなくなってからは廃用性萎縮であっという間に骨と皮ばかりになってしまいました。こうなると床ずれができやすくなってしまいます。

<つづく>